アレクサンドル・ソクーロフの“太陽”
いままで、全く知らなかった昭和天皇がとても近く感じられた
(失礼な言い方ですが)映画でした。
終戦前後の日々を、プライベートな側から描くという
挑戦的なもの。
神から人間へ、という私たちには到底想像もできない転換を
決断した昭和天皇。
マッカーサー米司令官との会見の中で、
“現人神の気分は?”という質問に
“天皇の生活も楽ではありません”
というやりとりに日ごろの制限制約が感じられる。
そのためなのか、口をパクパクさせて独り言をいっているように
見える。
それから、言葉がでてくる。
そのあたりを、イッセー尾形が見事に演じている。
侍従らの会話では、“あ、そう”という返事で
コメントを避けている。
でも、なによりも、ピュアで子供のような性格に
驚かされた。
純粋培養と規制。
この中で、神として生きる。
この映画の中には、
日本、日本人を考える要素がつまっている。
もし、じぶんが日本人でなくなったら。
その時どんな反応をするだろうか?
そんな究極の状況に置かれたら?
じぶんの価値観、スタンスをどう取るか?
そんなときこそ、ATTITUDE CHANGEが必要になるだろう。
前向きになれるか?
すべてを白紙に戻せるか?
Keep Smilingができるか?
そんなことを考えていました。
一時は日本上映が危ぶまれたそうだが、
ほんとに観れてよかった。
ソクーロフに感謝。
ちなみに彼は前々作“エルミタージュ幻想”で
1時間半ワンカットという離れ業の映画を撮っています。
これもおすすめ。
なにより、
“太陽”、いいです。

