去年、いちばん楽しませてくれたCM。
それが、エステー化学の消臭プラグの11話シリーズだ。
テレビで見てご存知の方も多いかと思う。
カマキリのような殿様が登場する
ぶっ飛んだCMである。CM不作の時代だが
これは、いろんな示唆に富んでいる。
まずは消費者からのお手紙に答えるという生コマ風。
それから突然歌いだすというミュージカル仕立て。
さらに、これがすごい。
1話を1回しかオンエアしない、という潔さ。
これで、11話。
通常なら、クライアントや広告代理店の人は、
CM到達率という効果のことばかり考えて
こんなことはまずしない。
もちろん、人気の「のだめカンタービレ」だけで
オンエアされていたので、
連続してみるということは考えられるが、
それでも頭の固い連中は二の足を踏む。
テレビを見なくなったという昨今の現象を考えれば、
効率などというのは、全く意味もない。
だからこそ、話題に上るようなCMをつくって
巷の口コミの登らせる。
正解だと思う。
そんなことより、この殿の演技、一見の価値がある。
一昨年の大河ドラマ「新撰組」で
徳川慶喜を演じた役者、今井朋彦さんだ。
城で焼肉をやっているとき、
腰元が「殿、消費者からこんなお手紙が。消臭プラグは
どれくらいの広さの臭いを消すことができるのですか?」
と質問すると、殿はいきなり歌いだす。
「小さいけれど、部屋一面消臭、」
なんとも楽しい。
たくさんの情報ばかり詰め込んだCMは、もはや
誰も見ない、覚えない、話題にしない。
そんなことがわからないようでは、
ほんとうにCMは廃れていく。
そう思わざるを得ない、とつくづく思う。
消臭プラグのスタッフのみなさん、ありがとう。
このCMシリーズは、
エステー化学のホームページでいまも見られる。

