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コミュニケーションの耳袋

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2007年05月06日(日)

グレゴリー・コルベールの手紙で綴られた小説

「ashes and snow] お台場での展示会。
会場は、建築家板茂による152個のコンテナを使って組み立てたもの。
細長く、天井の高い会場内は、まさに大聖堂としか思えない。
違うのは、マリアや聖人ではなく、動物と人間がそこに佇んでいること。
そして、その写真と映像は、コルベールからの手紙だった。

七番目の手紙。
「この世のはじめには、大空いっぱいに空飛ぶゾウがいた。思い体を翼で支えきれず、木のあいだから墜落しては、ほかの動物をあわてふためかせることもあった。(中略)ゾウたちが翼を脱ぐと、無数の翼は地上に落ち、雪がその上をおおってヒマラヤ山脈が生まれた。青いゾウは海に降り、翼はヒレになった。ゾウたちはクジラになったのだ、大海原に棲む鼻のないゾウに。(略)」
それは、想像なのか、寓話なのか、それとも神話なのか。
イソップ物語の一説に、
「それは、動物が言葉を使っていた頃の話です。」というくだりがあるのを思い出した。
そういえば、ゾウは超音波で仲間と通じ合っているという。だから、動物園などで子供がうるさいと、耳の穴を耳でふさぐそうだ。人の言葉は、ノイズでしかないのか。
そう思えば、動物と人は言葉に頼らなくとも話すことができる。
コルベールはそのことをとっくに知っていたのだろう。
そうでなければ、こんな写真は撮れない。
ただの偶然の産物ではないのだ。
人間と動物の間には、境界線などなく、勝手に人間が作ったものなのだろう。
自然界には、もとよりジャンルやカテゴリーが存在するはずもなく、
あるのは、ひとつひとつが異なるという多様性のみ。
すべてが違うということを、受け止めることから自然界は始まっている。
きっと、ゾウは空を気持ちよく飛んでいたのだろう。
一枚の写真がそれを物語っている。
海の中を泳ぐゾウ、もっと下のほうを泳いでいるコルベール自身。
今日のように灰色の空は、ゾウの集団が移動中なのかもしれない。
見上げてみよう、ゾウの空を。

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