
伝説の48メートル神殿。
大国主命が国を譲る代わりに建てたお社は
幻の中に現れた。
いまの本殿の2倍の高さである。
なぜか、その階段を上る宮司の姿が頭にこびりついた。
たしかに優雅な物腰だ。しかし、想像の中のズームレンズが
ググットと近寄ると、宮司の顔は大粒の汗だ。
必死の形相といっていい。
それでもなお、1歩1歩の歩みは留まることがない。
その歩みを並行して追いかけていると、
宮司の顔には、恍惚の表情が浮かび始める。
神は間近にいるのだ。
それが宮司の仕事というより、まさに仕えている。
一転して、カメラはウミネコの視線になる。
大きな幾何学模様のスロープが緑の森の中に浮かぶ。
それが神様の遊びごとなのか、暗示なのかは全くわからない。
ウミネコカメラは自在に飛び回る。
いつの間にか、スロープに真下に入っている。
微かな光が、空気の流れを映し出す。
その光が現実に戻した。
神の国の一瞬の旅であった。

