なるほどでした。
アカデミー賞総なめの理由。
インドには映画のテーマ、
人材があふれていました。
ダニー・ボイル監督作
「スラムドッグ$ミリオネア」
圧巻は、映像、編集、スラム街。
これほど生々しく、インドのスラムに生きる人を
描いた映画を見たのははじめてでした。
インドは映画産業が盛んなのは有名ですが、
スラム街でのロケは、あまり認められていないそうです。
負の部分は、見せたくないという国の方針でしょうか。
それほどにスラム街で生きる人の生き様が描かれています。
監督は、「トレイン・スポッティング」の
ダニーボイル。イギリス人です。
「トレイン・スポッティング」は衝撃的でしたが、
個人的には、あれ以来、低迷していた感がしていました。
この映画も、もともとは小さな配給会社か
DVDでだけ配給するところだったようです。
それが、フォックス・サーチライトの目にとまり
カナダで火が付き、
あっという間に世界中を席巻してしまいました。
ヒットする要素はそれこそふんだん。
まず、有名クイズ番組のシーンが中心になり
フラッシュバックで、主人公の
幼年期、少年期、青年期が描かれる。
それも、徹底的に生々しく。
インドの貧しさの中身を知らない私たちにとっては
衝撃の映像と事実です。
主人公の兄弟がいろんな境遇に会いながら
強く育っていくことに連れて、見ているほうは
完全に感情移入してしまいます。
私は弟になっていました。
ダニーボイルは、このインドで
人間とは何か?を見つけたのではないでしょうか。
彼らの成長を見守っている視線のように
思えて仕方がありませんでした。
それにしても、インド映画すなわちボリウッドは
映画に関することすべてが豊富です。
音楽はブルッとくるほどすごい。
天才ラフマーンというインド人の手によるもの。
俳優もインド人がズラリ。
大物あり、素人あり。
主人公のジャマール・マリクだけは
イギリス在住のインド人。
ひ弱だけれど、一途な思いを表現していました。
この映画は、まさに映画らしい映画。
ハリウッドが忘れていた心です。
人は、望みさえ失わなければ、かならず
幸せに巡り合える。
そんな希望を与えてくれる映画。
それこそ映画。
原作者が語っていましたが、
スラムに面したIT会社の壁に大きな穴を
空けておいたところがあったそうです。
そうしたところ、スラムの教育も受けていない子供が
中に入って、パソコンを使いこなしていた。
教育を受けていない子は何もできない。
そんな固定観念を打ち破る出来事だったそうです。
そうです、社会という枠が決めた基準や常識は
なんだか怪しい。
それよりも、人間が人間らしく生きること。
エミール・クストリッツァの映画
「ウエディングベルを鳴らせ」でも書きましたが
そういう映画に人が押し寄せているのは
うれしい限りです。
人間はやっぱり人間に戻っていくのですね。

