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コミュニケーションの耳袋

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2010年06月27日(日)

遠野物語から100年

21世紀と遠野物語、というゼミナールが
東京新宿で開かれました。
柳田国男が残したものは何だろう?
それが21世紀に意味することはとは?でしたが、
突然、母の実家を思い出してしまいました。

私が生まれ育った八戸市は
岩手県を主とする南部と呼ばれるところ。
遠野とは、遠からぬ縁を感じていました。

また、母親は岩手県の大野村出身。
いまは、洋野町と名称は変わりましたが
岩手の山村。
子供の頃は夏になるとよく遊びに行ったので
たぶん、あんな感じなんだろうなと勝手に想像しています。

そうです、恥ずかしながら、遠野には行ったことがないのです。

とはいえ、本の内容から察して
たぶん、遠野は大野村と似たような場所なのでしょう。

母の実家は、いわゆる庄屋の家で、でかかった!
郵便局に電話局などを兼ねていました。
小さい頃は、A家とB家をつなぐ電話は
そこにある配電盤のようなもののAとBを
ジャックでつなぐだけ。
それでも、子供には魔法のような体験でした。

家に入ると土間で、そこに続いているのは
広い板間のスペース。
そこには、大きな囲炉裏があって
いつもお湯がホカホカしてましたね。

そこを囲んでご飯を食べたり
話をしたり。
広い家でしたから、奥に進むほど
怪しい怖そうな空気が流れていました。

遠野物語ではないけれど
座敷童が居る感じ。

家の裏は、トウモロコシやなにやらの畑で
ウサギも飼っているし、
自然とつながっているような家でした。

そのときでさえ、八戸とは違う空気感を感じて
不思議というか、ちょっと妙な気分でしたね。

どうやら、記憶がいんちきらしく
天井には大きな白蛇が居ると思ってました。

その記憶と遠野。
遠野の昔話を会場で、
地元のおばちゃんが話してくれましたが、
わかりますね、南部弁。
話の終わりは、「どっとはらい」
全部おしまい、ということですが
その南部弁が、記憶を刺激したのでしょうね。

パネラーの中沢新一さんがお話ししていたのですが
遠野物語は、民俗学でも民話でもなく
交換学かもしれないと。

それだけ、柳田国男の残した遠野物語は
21世紀に意味を持つものだと。

明治に入って超近代化が進み
それを憂えた柳田国男は、遠野に残る
昔ながらの生き方、価値観を
冷凍保存しようとした。
だからこそ、遠野物語には具体的な記述が多い。

自然と人間が共生することこそ、
日本人のあるべき生き方。

向こう側にある怖いことを感じる力をもっているからこそ
畏敬し共生しようとする気持ちが生まれる。

ふいの風の音、わけのわからない水のはねる音。
それらを感じることこそ大事なのだ、と
柳田国男は言っているのかもしれません。

21世紀と遠野物語。
考えてみましょう。

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コメント (2)

周・燈子母:

日本の家の隅にある陰、階段の下や床の間の端に不意にある暗闇にこそ美があると書いた谷崎潤一郎の陰影礼賛を思い出しました。民藝を探し紹介して歩いた柳宗悦の思想も、私の中では柳田国男のそれと重なります。
「日本の古民家」という本を編集したことがありますが、東北の鰯御殿や庄屋は、全国的に見てもずば抜けて威厳があり、物語と伝統を感じさせる建築でした。そう、本当に座敷童がいたのだろうなと思わせるような。
お母様のご実家、さぞ立派で素敵だったのでしょうね。
示唆に富む興味深いお話しをありがとうございました。

せきはし:

ありがとうございます。
そうですね、谷崎の陰影礼賛もたしかに。
日本には、知らないだけで、
たくさんの作家や研究者がいました。
自然と共生することの大事さを
いろんな観点から述べて。
南方熊楠や折口信夫。
そういう偉大な先人の心をなくさないよう
心がけて生きたいと思います。

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